2020.9.11
今朝、給食室でのこと。
一番若いスタッフのSちゃんと2人きりになった時に
「私、石田さんってなんでもできる人だと思ってます。次女ちゃんのお弁当もいつも美味しそうだし編み物も上手だし」
と言われた。
びっくりした。
びっくりしすぎて慌てて訂正した。
「いやいやいや全然何もできません。できることの方が少ないですよ。ほんと、誤解してますってほんと。」
それは間違った過大評価であるということをきちんとお伝えしなくてはいけない。
昨日水切りした12丁の豆腐にひじきを混ぜ込みながら私は早口でそう言った。今日のメニューはガンモだ。
目標では70個揚げる。
Sちゃんが給食室を出てからも私の心は少し動揺していた。
正直に言えば彼女の言葉は嬉しかった。
お世辞だったにしても、自分を認めて褒めてもらうことは素直に嬉しい。
でも、少なからずSちゃんにそういう印象を与えていたということは問題である。
この幼稚園とは5年目の付き合いになるのだが、距離感の近い関係で5年も子育てをしているとどう足掻いても自分の弱いところも失敗もたくさん見られてしまっているので、もう格好つけられないと観念したというか覚悟を決めて通っているつもりだ。
通い始めた頃はスタッフだけではなく母たちとの関係も頑張って築こうとしたり、自分の生活や子育てについてよく見られようと見栄を張ったりしていたけれど、今は気の合う人としか話さないしスタッフから自分の子育てについてどう思われても「そうですよね〜。しょうがないっすよね〜」と受け止められる境地になっている。
よく言えば肩の力が抜けたというか。
でも、悪く言えば私はここで頑張るということをすっかりやめていた。
お弁当もミニトマトやチーズの手抜き食材が定番だし、編み物もここ一年はやっていない。
入園した頃より見た目も老けたし太ったし、5年もいるのにスタッフに人見知りみたいな態度をとってしまって会話もさほど盛り上がらないし、たまに喋るとアタフタして見当違いなことを口走るし。
でもそれが自分だと開き直って頑張ることをやめてるんです、ほんと。
なのでそんな私を「なんでもできる人」とSちゃんが感じたのだとしたら、自分では肩の力が抜けたと思いつつもまだ格好よく見られようとしていたのかもしれない。
家に帰って夫に話したら、ニヤニヤして
「それは大問題だねえ」
と言った。
「そうでしょ、そうなのだよ。
だからちゃんと訂正したよ。」
「できることたくさんあるよ」
「ひとなみにってことでしょ」
「いや〜。多いんじゃない」
「まあ、ちょっと嬉しかったんだけどね」
「そうだよ」
夫は相変わらず優しい。
そして私は超がつくほどの単細胞なので、このエピソードだけでしばらくは自信を持って生きていける、気がする。
褒められるのは嬉しい。
すごく嬉しい。