2021.6.1

小学校のまるまる6年間を私はまいちゃんという友だちとほぼ2人きりで過ごした。

 

中学以降はお互いに別の友人関係ができて一緒に過ごすことは少なかったけど、たまに学校帰りに集合してプリクラ撮ったり、七夕行ったり、2人でJUDY AND MARYのライブに行ったり。

 

まいちゃんはオシャレで派手で明るくて、私とは好きなものがだいぶ違うし興味のあるものも違ったと思う。

でも「おもしろい」の感性は似ていて、いつも話の内容というよりもまいちゃんの話し方とか、そのシチュエーションとかにたくさん笑っていた。

まいちゃんの話すクラスメイトの子の顔は知らなかったけど、だいたいの名前と特徴は把握していた。

 

まいちゃんは記憶力がすごくよかった。

高校生になっても、三十路を超えても会えばよく小学校時代の思い出話になった。

 

ずっと県内にいる私よりも、専門学校から東京に引っ越したまいちゃんのほうがいつも何倍も地元の子の現在について詳しかったし、目を閉じて地元のことを考えれば、自然とまいちゃんと2人でよく自転車で走ったグリーンロードの景色が浮かぶ。

 

でも私はまいちゃんのことをほとんど何も知らない。

まいちゃんの家族のことも、初めて付き合った男の子のことも、東京でのことも、今の生活のことも。

私たち2人の思い出は小学校の6年間にすべて凝縮されていて、難しい大人の問題はいつだって必要ない。

時間をたっぷりかけて退屈な日々を遊び尽くした、あの時以上の濃密な時間はもう訪れないと思う。

 

特別話したいことがあるわけではないけれど、まいちゃんに会いたい。

顔を見て、元気でいることを確認したい。

そう思う時が年に数回ほどある。

まいちゃんが愛知に帰ってくると連絡がこれば、最優先で予定を組んで会いに行く。

 

私にとってのまいちゃんは、だいぶ不可欠な存在だ。

 

ここ最近、今年の2月にまいちゃんから来たLINEを読み返している。

 

〝今たまたまやってた昔のまるちゃん見てて、終わりの歌が
楽しいことならいっぱい
夢見ることならめいっぱい
って歌で、これ聞いてたの小学1年生頃だよね?!
夢見ることなら「めいっぱい」のとこが、「あめいっぱい」に聞こえて、一緒に歌ってたなーって思い出した!
ついつい歌っちゃったけど今でも覚えてるもんだね!笑
まぁまぁ歌えたよ。
それだけ!
ただまりちゃんに言いたくなっただけだから、返信はとくにいいからねー〟

 

初めて読んだ時、うっかり泣いてしまった。

まいちゃんとは、こういう子なのだ。

 

今、すごくまいちゃんに会いたい。

大人の顔をせずに、無理に返事もせずに会えて、でも会うと少し泣いてしまいそうな気持ちになるまいちゃんにすごく会いたい。