2020.8.31
来年、次女が小学校に上がる前までに子供たちの部屋を整えたいと前々から思っていた。
今は小学生が一人なのでリビングの隅に小学生スペースを設けてランドセルも置いているが、さすがに二人分のスペースはない。
さらに、以前に水回りと壁紙をリフォームした際にお世話になった会社がたまたま幼稚園の友人パパが勤める会社だったので、お金は二の次でとりあえず見積もりだけでも相談に乗ってもらうことにした。うまくいけば給付金で賄えたりしないかな、と淡い期待も寄せて。
見積もりの結果、現実的に金額はそれ相応にかかるもので、まあお金を貯めて来年には、、、と思っていた数日後、「明日まで無利息ローンが組めるキャンペーンやってます!」と声をかけてもらってついに決心した。
リフォーム、やるか!
この家に引っ越してきてから約3年。
夫の実家なので荷物の量が半端ない。夫は三兄弟、両親、祖父母の大家族で育ったのだ。
特に手つかずのままに物置部屋と化していた3部屋をどうにか整理して、そのうちの2部屋を子供達の部屋に、そして1部屋を図書室にするという計画だった。
あと、納屋も義母のもの(主に登山グッズ)と私たちの荷物があいまみれて乱雑になっていたためにその部屋とも向きあう決心もしていた。
目を背けてきたその時がついに来てしまったのだ。
タイミングは自分で無理矢理にでも作ってみるものだ。
いやだいやだと思っていた片付けもやり始めると思いの外進み、片付けが進むと心も軽くなり、さらに不思議と片付けは捗った。
アドレナリンが大噴出しているのが分かる。
一日中片付け作業に明け暮れても、それでも手は休めることはなかった。
食欲も湧かず、ただひたすらに要るものと捨てるものを仕分けし、必要なものをさらに用途別に仕分けたり整理して収めていく。
目に見える物質の片付けが落ち着いてきたら、パソコンやデジカメ、スマホに溜まりに溜まった写真の整理を始めた。
アルバムの最後の写真は次女がまだ赤ちゃんの顔をしている。
約4年間分の写真を整理し、ハードディスクに保存。いい写真を選別して現像、アルバム作成。
約3日、とり憑かれたかのようにパソコンにかじりつきながらようやく作業が終了した。
なんだか少し痩せたような気がする。
リフォーム当日には2部屋はまっさらな空き部屋になり、さらに大量の家具なども粗大ごみとして手放し、家はずいぶんと軽くなった。
パソコンも容量が増え、動作も速くなった。
ついでに不要なメルマガ配信などを全て停止し、2000通近く溜まっていた不要な未読メールも一掃された。
なんだなんだ。
気持ちがいいほどに身の回りが整理され、触れる空気さえ清く軽く感じる。
断捨離のススメ!憧れのミニマリスト生活!
他人事と思っていた世界が少しだけ顔を出す。
最終的に、20袋以上ほどの可燃ごみを廃棄した。
見違えるほど部屋が片付き、驚くほど心の中まですっきりとした。
初めて目にした壁や床が露わになった状態の2部屋は、子供達と相談して一部屋は真っ黄色+天井は黄色と白の水玉、もう一部屋はピンク色+アクセントウォールでフラミンゴ柄というとてもファンシーな仕上がりになった。
工事は3日ほどで全て終わったのだが、思っていた以上に子供達はリフォーム作業に興味津々で、特に7歳の長女は至近距離でじっと壁紙職人の側を付いて回って離れなかったので「現場監督」と職人さんたちから呼ばれていた。
すっきりと可愛く仕上がった2部屋は、収納もなく思っていたよりも狭いのでここから家具を置いたらすぐに物でいっぱいになるような気もするけれど、やっと家が整ってきたという思いで私はすでに胸がいっぱいだ。
結婚してからここまで来るのに約9年かかった。
ここからまた、生活が始まっていくのだと思うと前向きになれる。
図書室も構想通り、壁一面を本棚で埋め尽くすことができた。
この部屋は私が担当し、種類別、作家別に並べ替えて子供達にも見やすくした。(大好きな作業)
自分が好きだった本を子供達にも読ませたいという気持ちもあるが、夫やのんさんと色々話しているうちに自分のカルチャーは見せないほうが良いのではという方向性で決まった。
普遍的な名作や読み物として面白いものはよいものの、エロやグロの要素のあるサブカル本は目の届かないところで保管することにした。
「早見純は隠しなさい〜」
「岡崎京子はOK?いや、早い。」
サブカルは自分でたどり着くものだと思う。
そしてたどり着かないままの人生であってもいいのだ。
子供達が思春期になって自分で山本直樹あたりを買うようになっていたら、「実はお母さんも、、、」と貯蔵本をそっとプレゼントする日を密かに楽しみにしながら。