2020.12.20
長女がスイミングを初めて半年くらい経った。
私と次女はスイミングのレッスンの間は1時間ずっと座って見学をしているのだけれど、同じ見学席でひときわ明るい親子がいて、いつも楽しげに絵本を読んだり人形で遊んだりしていて、お腹を空かせてグズる次女に焼き芋をお裾分けしてくれたり。
私はそのお母さんを好きだなあと感じていて、唯一笑いかけたり「こんにちは」や「さよなら」を言える人だった。
この前、夫が珍しく仕事が休みだったので、初めてスイミングに家族みんなで一緒に行ったら「石田さん?」と話しかけられた。
話しかけてきた人がそのお母さんだった。
お久しぶりです!
わあ!石田さんだあ!
一瞬、なにがあったか分からなくてポカンとした私やお互いの子供達に向かって彼女は
「お母さんの大学の時の先輩」
と夫のことを紹介して笑った。
こんなことってあるんだよなあ。
ほんと、こういう世界の狭さ、近さ、繋がりを感じる瞬間がすごく好きだ。
興奮する彼女を見て、私も嬉しくなって
「私が唯一お話してるお母さんなんだよ!」
と、よく分からない紹介をご本人の前でしてしまった。
彼女も作家として作品を作っているようで、今展示中の展覧会のDMをくれてもう一度びっくりした。
それは大阪で石版リトグラフの仕事をする義弟が関わる企画の展覧会で、私も毎年足を運んでる展示だった。
週末、嬉しい感動を噛み締めて子どもたちを連れて展覧会に行ってきた。
人柄から作品の順番で知るのはとても説得力が増す。
彼女の作品はたくさんある作品の中でもひときわカラフルで、豪快なタッチだった。
彼女のことをもっと好きになった。
自分の日常も捨てたもんじゃないな、と思う。
スイミングに行く時間にも少し楽しみが増えたのだから。